狭山の家

竣工:1995年
建設地:埼玉県狭山市
用途:住宅
施工:協進建設
敷地面積:58㎡
建築面積:33㎡
延べ面積:83㎡
構造/規模:木造/地上3階

建て主には失礼だが狭い敷地に建てた3階建て住宅です。最初の打合せの時に家族4人の寝室と予備室と言われたときは少々びっくりしました。基本設計はパズルのようなもので、つくっては壊す1/100の模型がごろごろと積み重なりました。目一杯の面積を確保するための3階建てですが、お隣と並んで頭が出るようでは申し訳ないということで軒の高さはおさえてあります。その結果、南側と北側で高さの異なる6枚の床を持つ構成になりました。下の2つの床を除いて、上部4つの床は大きな空間の中でつながっていて、主な家族の生活の場となっています。最上階の3畳の予備室は、予備室というにはあまりに良い場所になり、どうやら御主人の寝室になっているようです。 引っ越しが終わって数日後にお邪魔した時にとてもきれいに片付いているのに驚きました。基本設計の段階から収納の計画をしていて、着工したときには全ての物がどこに納まるかきちんと決まっていたそうです。パズルには建て主も参加していたわけです。住まい手は往々にして、作り手より鋭い生活の実感を持っているものです。

写真撮影:Koshimizu Susumu