横山台の家

竣工:2001年
建設地:神奈川県相模原市
用途:住宅
施工:落合工務店
敷地面積:181㎡
建築面積:107㎡
延べ面積:246㎡
構造/規模:木造軸組・一部RC造/地上2階地下1階
受賞:第6回TEPCO 快適住宅コンテスト優秀賞

敷地を初めて訪れたときに、とりとめのない周辺環境の中で西方に遠望する山並みの緑と南北に細長い敷地のプロポーションが印象に残り、その後のエスキースで西を向いた細長い家のイメージはすぐにかたまりました。この家の基壇部分には、変化に富む外部空間を背景にして、一番下の地下室から上階の台所まで、高さと大きさの異なる空間が南北軸に並べ重ねられています。それぞれは中央の吹き抜けを介して互いに緩やかにつながり、家族の緩やかな関係の背景になることが意図されています。  悪条件を排除することで快適な環境を作ることは容易ですが、それが住まい手の土地に対する思いを見失うきっかけになったり、隠れたポテンシャルを無くしてしまうことがあります。西向き採光と、風向方向に深い奥行きという少々非常識な形態は、住まい手の生活の形であり、その室内環境上の不利は西日遮蔽、通風等の建築的工夫で解決しようと考えました。

写真撮影:Koshimizu Susumu